妊娠中に気を付けるべき栄養素

(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」引用)

妊娠中は、お腹の赤ちゃんのためにバランスの良い食事を心がけ、ビタミン・ミネラル・タンパク質等、色んな栄養素を積極的に摂りたいですね。
しかし中には、摂取しすぎるとかえって赤ちゃんに良くない影響が出る栄養素もあります。
今回は、妊娠中の過剰摂取に気を付けたい食材と、その摂取量を紹介したいと思います。


過剰摂取に注意するべき栄養素
ビタミンA
・水銀
・カフェイン
・ヨウ素

ビタミンA

ビタミンAは、免疫機能、視力、粘膜や上皮細胞の維持を担っています。

不足すると、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では眼所見として暗順応障害が生じ、夜盲症(暗いところで物が見えにくくなる病気)になります。角膜上皮や結膜上皮の角質化によって角膜や結膜が肥厚し、ビトー斑という泡状の沈殿物が白眼に現れることや、皮膚でも乾燥、肥厚、角質化が起こるといわれています。

しかし、ビタミンAは体内で合成できないものの、肝臓で大量に貯蔵される仕組みになっています。成人で、4ヶ月間ビタミンAを摂取しなくても、肝臓に貯蔵されているビタミンAが維持されている限り、欠乏症に陥ることはないそうです。

ビタミンAが多く含まれる食材
・レバー
・ウナギ
・ほたるいか
・銀鱈

具体的な量
1日あたりのビタミンA摂取量の上限は、2,700µgRAE(レチノール活性当量)とされています。
例えば、100 gあたりのビタミンAが14,000µgRAEの鶏レバーを200g食べると1日の上限近くになります。

ビタミンAは、妊娠中でも妊娠中以外でも必要な栄養素です。
過剰摂取は気を付けたいですが、鶏レバーでも、かなりの量を毎日継続的に食べないと、過剰摂取になるということはないと思いますので、妊娠前と同じくらいであれば摂取してもOKです。
ビタミンサプリを摂取する方は、サプリメントのビタミンA含有量を確認し、摂りすぎないように注意しましょう。

魚介類の水銀

魚介類には、タンパク質、カルシウム、良質な脂質(DHA、EPA)といった栄養素が含まれています。
健康的な食生活には欠かせないものとなっていますが、妊娠中の水銀には注意が必要です。

水銀が含まれる魚介類
・バンドウイルカ
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで
(1週間当たり10g程度)

・コビレゴンドウ
1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで
(1週間当たり40g程度)

・キンメダイ
・メカジキ
・クロマグロ
・メバチ(メバチマグロ)
・ツチクジラ
・マッコウクジラ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで
(1週間当たり80g程度)

・キダイ
・マカユメカサゴ
・ミナミマグロ
・ヨシキリザメ
・イシイルカ
・クロムツキ
1回約80gとして妊婦は週に2回まで
(1週間当たり160g程度)

近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。この胎児への影響は、例えば音を聞いた場合の反応が1/1,000秒以下のレベルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。
日本人の平均の水銀摂取量は、食品安全委員会が公表した妊婦を
対象とした耐容量の6割程度です。

カフェイン

カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

 このため、食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起等がなされています。例えば、世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。 また、英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時に低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。

 同様に、カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。 

 なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)については、個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません。

例えば、寝る前にコーヒーを飲んでもしっかり熟睡できるという人もいれば、たった1杯飲んだだけで目が冴えてしばらく眠れなくなったり、お腹を下してしまうという人もいますよね。カフェインに耐性のある人、ない人によっても、摂取の上限は変わります。
妊娠中でも、どうしてもコーヒーが飲みたい という方は、1日2杯までに留め、コーヒーの風味や香りを楽しめたらいいという方は、カフェインレスコーヒーを飲むようにしましょう。

ヨウ素

ヨウ素とは、海藻に含まれている栄養素であり、甲状腺ホルモンを形成しています。甲状腺ホルモンとは、甲状腺から分泌されるホルモンです。全身の細胞に作用し、新陳代謝や子どもの成長、発育に必要なホルモンです。

日本や韓国は他国と比べ、ヨウ素がたくさん含まれている海藻類を食べることが多い国です。
ヨウ素は主に昆布やひじき、わかめ、あおさなどに含まれています。

100gあたり
昆布 200000.0μg
ひじき 45000.0μg
青のり 2700.0μg
あおさ 2200.0μg

他にも、昆布茶1杯780μg
昆布だし100mlにつき5000μg
と、やはり昆布を使った食品が一番ヨウ素を多く含んでいます。

妊婦の推奨摂取量と上限摂取量

妊婦と授乳婦のヨウ素推奨摂取量は、130μg
耐容上限量は、2000.0μgですので、上限量を毎日継続的に摂取することは避けましょう。逆に、ヨウ素を含んでいる食品を避けすぎることも、お子さんの発育発達に影響が出てしまうので、ヨウ素に関しても適量の摂取が必要になります。

食品の成分表などに、ヨウ素の含有量がmgで記載されている場合は、1mg1000μgとなりますので、変換して計算してみてください。

まとめ


こう見ると過剰摂取を避ける食品って、結構多いですよね。
妊娠中は特に、お腹の赤ちゃんを守るために神経質になってしまいます。私自身の妊娠中は、マグロや鯛がつくお魚は食べないようにして、あとの魚はたまに食べていました。私はお寿司が好きだったので、さすがに10ヶ月間食べないというのはできませんし、なぜかよくお寿司が食べたくなってました。回転ずしに行くと、サーモン・焼き鯖、いか、かつおなどを食べて、あとはフライ系のお寿司やサラダ巻きを食べていました。ウナギは、どうしても食べたいときに1貫だけ食べたりしていましたね。友達ママはお寿司を一切食べなかったみたいなので偉いなぁと思いつつ・・・私なりになるべくストレスフリーな食事を考えながら摂っていたので、それも偉い!と自分を褒めるようにしていました。(食べたいだけ)

妊娠中は、ただでさえストレスがかかりやすい時期なので、自分の気持ちを最優先にして、なるべく機嫌のいい自分でいる方が赤ちゃんにとってもいいのかなと思ったり。根詰めて食事を制限して、ストレスばっかり抱えてしまう方が赤ちゃんに良くないのかなと、私個人としては思いますね。
一日の上限摂取量を把握していれば、摂りすぎることもないと思いますので、過剰摂取・不足のないようにあと1番はストレスのないように、妊娠中の食事を楽しんでくださいね!

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