妊娠中の運動について


妊娠中の運動やスポーツは、どのくらいの頻度、強度でやればいいの?そもそも運動していいの?

今回は、妊娠中の運動やスポーツについて、(産婦人科部会 臨床スポーツ医学会)の論文と、私自身の実体験をもとに、解説していきます。

目次
週数別の運動と強度
・妊娠初期 ~16週
・妊娠中期 ~28週
・妊娠後期 28週以降

妊娠初期~16週

まず、妊娠初期の運動ですが、基本的には妊娠12週までは安静にしましょう。理由としては、全妊婦の10~15%に起こるとされている自然流産の発生時期のほとんどが、妊娠12週未満であるとされていることから、原則として妊娠12週以降で妊娠経過に異常がない場合のみ、運動を開始してもよいそうです。
なお、妊娠16週以降になれば、自然流産がほとんどなくなる・前置胎盤の診断が可能なことから、妊婦における運動の開始は、妊娠16週以降にしましょうという意見もあるようです。

ただ、早期流産の原因はお母さんではなく、赤ちゃんの染色体等の異常です。受精した瞬間にこれが決まることがほとんどです。100%とは言い切れませんが、お母さんが運動したから、仕事を続けていたからという理由で、流産することはほとんどないそうです。

妊娠、出産は体力勝負です。可能な限りは、ウォーキングやストレッチ等行い、出産の為の体力づくりをしましょう。
厚生労働省のガイドラインによると、週2~3回1回あたり60分以下の運動を推奨しているようです。

つわりが辛くて、運動なんてする余裕がない。という方は、無理せずにゆっくり過ごしましょう。吐くことも凄く体力を使いますので、食べれるときに食べれるものを食べて、とにかく体を休めてあげましょう。

個人的には、学生時代にずっと運動をしていたので、社会人になってからもランニングしたり、ゴルフに行ったり、運動を妊娠前から行っていたので、妊娠初期でもじっとしているということができませんでした。もちろんランニングは強度が高い上に、着地の振動があるのでウォーキングに変えました。正直ゴルフは、子どもが産まれたらしばらくは行けないし・・・と、どうしても行きたかったので2~3回は行ってましたね。
幸い、つわりもあまりなく、安静にしているというのが死ぬほどストレスだったので。(笑)
もちろん、かかりつけの先生に運動許可をもらってからですが。
とは言っても、私自身でドライバーはまんぶりしない、なるべくカートに乗って移動、6ヶ月を過ぎたらしない!とルールを決めていました。もちろん、これらは自己責任で行いました。

私の性格上、せっかく授かった命なのにもし流産してしまったら、いくら母体の原因じゃないとはいえ、自分の事を責めてしまうだろうな。と思っていたので、普段よりなるべく安静に、お腹に強い力をいれることなどはしないように気を付けていました。
でも、やっぱり体を動かすことが私のストレス発散になっていたので、あまり気負いせずに無理しない程度には体を動かしていました。

妊娠中は、ホルモンの関係で本当に気持ちが急に落ちたりしてしまいます。何でもないことにイライラしたり、悲しくなったり。ですから、普段より楽観的になるくらいでいいんじゃないかなと思います。女性は身を削って、自分のお腹の中で命を育てていますから、赤ちゃんも大事ですが、まずは自分の事を大切にしてほしいなと思います。むしろ妊娠中は、周りに頼る・自分の好きな事をするなどストレスを逃がすことに全振りしたほうがいいと思いますね。
旦那さんは10ヶ月間と出産後しばらくは、奥さんをたっぷり甘やかしてあげてください。これは義務です!!

妊婦中期~28週

ここまでくると、つわりが落ち着く人がほとんどと言われています。ただ、個人差があるので最後の最後までつわりがあったという方もいますよね。何を食べても吐いてしまうという方は、運動どころか必要な栄養が足りているかというところに重点を置いたほうがよいです。逆に、食べづわり(常に何か食べていないと気持ち悪い)がある方は、急激な体重増加に気を付けたいところです。
(妊娠中の食事、おすすめのおやつの記事)

妊娠中期での運動ですが、軽い筋トレ・ウォーキングがおすすめです。時間とお金に余裕がある方は、マタニティビクス・マタニティヨガ・プールでの運動等、近くにあるのであれば、専門のところで運動を行うといいですね。何かあればすぐに対処してくれますし、質問もすぐにできますしね。
私の場合は、プールでウォーキングをしたかったのですが、近くにジムこそあったものの、妊婦NGのジムしかなかったので、自分で運動するしかありませんでした。
海外のジムは、妊婦さん歓迎のジムが多いようですし、お腹が大きくてもがっつり筋トレしている方も多いですね。さすが海外!
日本よりも進んでいる気がします。
ただ、どちらがいいとは言えないですし、やはり母子の安全第一なので自宅で可能な運動を行いましょう。

私は過去に2年間、パーソナルトレーナーをしていたので、腹筋以外の背筋や下肢のトレーニング、ストレッチを、かなり負荷を落として行っていました。あとは、ショッピングモールでウィンドウショッピングをしていましたね。ウィンドウショッピングって、無意識に意外と距離歩いてることありますよね。
私は、妊娠中期がちょうど夏だったので、涼しくて坂道などもなく、何かあっても誰かしら居てるということ、よくショッピングモールに行ってました。

妊娠後期28週~

妊婦後期に行う運動は、妊娠中期に引き続きウィーキングを実施している方が多いそうです。
まだまだ正期産(妊婦37週~41週6日)までは期間がありますから、動きすぎによる早産は防ぎたいところです。
妊婦中期からウォーキングを実施している方は、時間や頻度を特別増やすことはせずに、今まで通り継続して行うといいでしょう。

妊婦後期になると、お腹も大きくなり足元が見ずらくなったり、バランスが取りずらい体になってきますので、転ばないように気を付けてください。あとは、なるべく人通りが多いところを歩くなどして、万が一に備えましょう。

とはいっても、後期づわりが始まったり、体が重くて疲れやすいので、休みたい時は休んでいいと思います。私は産休に入ってから結構だらだらしていましたよ。(笑)
(犬を飼っていたので、散歩には行ってました。)

何もしたくないとか、体がだるいなという時は、赤ちゃんからの何かしらのサインかもしれないですし、無理してまで運動をする必要は、私はないと思います。私は結構ソファーで転がってました(笑)
もし気分が落ちたり、色々考えすぎてしまって不安になったり、そういうときは、外を歩いて体を動かすことで、気分転換になると思います。

いよいよ正期産に入ったら、少しお腹が張っていたとしてもなるべく歩くようにしましょう!歩く速度も、ゆっくりというよりは、スタスタとテンポよく歩きます。家に階段がある場合は、階段の上り下りもおすすめです。

私は、初産の時に予定日を過ぎてしまって、このまま5日経っても子宮口が開いていなければ入院、次の日からバルーンで子宮口を開いて、その次の日には誘発剤を打つと言われていました。
担当医には、とにかく歩きなさい。と何度も言われていましたが、焦らなくても、赤ちゃんのタイミングで陣痛はくるだろうと油断して家で結構ゴロゴロしていましたが、とくに何も起こらず強制入院になってしまいました。
バルーンと誘発剤は避けたいと、やっと焦りだし、病院の廊下を歩きまくって、お腹がガチガチに張っていても、ゆっくり階段を上り下りしていました。するとその日の夕方に無事産まれました。
100%歩いた効果かと言われると、それはわかりませんが、私の周りのママは、しっかり先生に言われた通り歩いて予定日より早く生まれたという人が多いです。
産まれるか産まれないかは赤ちゃんにしかわかりませんが、少なからず歩いた方が子宮収縮は促されます。

NGなこと


・心拍数が上がりすぎる運動(心拍数150bpm以下で、ややきつい以下。→連続運動を行う場合は、やや楽と感じる程度以下)
・転倒の恐れがある競技
・相手と接触するような競技
・腹圧のかかる動き
・瞬発性のある運動
・仰臥位(仰向け)になる運動 (16週以降)
・炎天下での運動

まとめ

妊娠中の運動・スポーツは、妊娠12週以降で、既往歴・流産や早産の経験がなく、胎児の発育に問題がない場合のみ行ってください。念のため、かかりつけの病院の先生に運動許可を得ましょう。どうしても心配な方は、自然流産がほとんどなくなるという、妊娠16週以降に運動を開始しましょう。
適度な運動は、妊娠中の余計な体重増加を防ぎ、気分転換にもなるのでおすすめです。