(厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」引用)
妊婦検診で、必ずと言っていいほど先生から言われるのが
「体重を増やしすぎないようにしましょう」ですね。
つわりがひどくて、食事がまともにできない人もいれば
食べづわりで何かを口にしていないと気持ち悪いという人もいます。後者の方は、体重管理が大変になってきますよね。
妊娠中はできる運動も限られますし、妊娠前よりもさらに太りやすい体になっています。
体重の増やしすぎは、もちろん高血圧や糖尿病のリスクが上がりますが、日本は妊娠中の体重増加に厳しすぎるような気がします。
近年の日本では、低出生体重児(出生時の体重が2,500g以下)が増加傾向にあります。その理由の一つが、母体のエネルギーおよび栄養素不足です。細い=綺麗という時代ですから、そもそもやせ型の若い女性が他国よりも多いこと、1日の野菜摂取量が350g以上摂れている人が20%を下回っていることが理由とされています。
こうした胎児期の発育が十分でなかった場合、成人後に肥満、循環器疾患、2型糖尿病など生活習慣病のリスクが高まるといわれています。
2021年に、妊産婦のための食生活指針が改定され、妊娠中の体重増加の幅が少し変わりました。
BMIが18.5未満は12~15㎏
18.5以上25.0未満は10~13㎏
25.0以上30未満は7~10㎏
30以上は個別対応(上限5㎏までが目安)
となっております。
高血圧や糖尿病の疑いがある場合は、シビアに体重管理や食事内容の見直しをしないといけませんが、そうでない限りは、この範囲内であれば全く問題ないです。
体重や体形は、出産を終えてから頑張って戻せばいいのです!
逆に、つわりが酷くてあまり体重が増えていない方は、無理にあれこれ食べなくても、食べられるものを食べて、鉄分など必要な栄養素はサプリメントで補う程度で大丈夫です。
ほとんどの方は、つわりがマシになる時が必ずきますから、その時にしっかりバランスの良い食事をすれば大丈夫です。
妊娠中の摂取カロリー目安
初期 妊娠前より+50㎉
中期 +250㎉
後期 +450㎉
妊娠期の摂取カロリーは、妊娠していない時よりも多少多くなりますが、それほど意識して増やす必要はありません。